5つの特性

乳化・分散

界面活性剤を必要としない、乳化・分散テクノロジー

従来の界面活性剤エマルションは、界面活性剤分子による化学的作用によって乳化安定化する方法です。一方、三相乳化法は、従来の乳化方法に欠かせない界面活性剤の代わりに、柔らかい親水性ナノ粒子の物理的作用力(ファンデルワールス力)によって液体や固体微粒子を分散媒に安定に分散させる方法です。この方法は、ナノサイズの親水性粒子が不可逆的に油滴や固体表面に凝集・付着するため、油種や固体種を問わずに乳化・分散することができ、さらに液性や熱、圧力等の外的要因に対しても安定です。

乳化・分散

関連業界

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  • 医薬品
  • 塗料
  • 燃料
  • 潤滑
  • 化成品
  • 電子材料
  • 製紙
  • 建築・土木材料

特性の詳細説明

同じ親水性ナノ粒子を用いて、植物油や鉱物油等、油種を問わずに乳化が可能です。油高配合のO/Wエマルションが調製可能なため、エマルション燃料や食品分野での応用が期待できます。

三相乳化法は、油種や親水性ナノ粒子の種類を問わずに乳化が出来るため、これまで乳化が困難な油剤であるシリコーン油や修飾化シリコーン油、炭化フッ素油も特別な界面活性剤を使わずに同じ親水性ナノ粒子を用いて乳化することができます。その他にも極性の高い油や精油、香料、樹脂、高粘度油、農薬等の機能性油についても乳化が可能です。

一般的に固体の油脂は乳化が困難ですが、三相乳化は25℃で固体のような油脂についても安定なエマルションが調製できます。偏光写真からもわかるようにエマルションの状態で固体油脂の結晶形が見られ、固体油脂の性質を変えずに乳化・分散ができます。

同組成でO/W型とW/O型のエマルションを調製し、それぞれのエマルションを水へ添加するとO/W型エマルションは外相が水のため容易に水に分散しますが、W/O型エマルションの場合外相が油になるため水へ分散することなく油のように水面に浮いてきます。このように系によって、O/W型とW/O型を作り分けることができます。

水に対して不安定な水溶性成分等を油相に閉じ込め、さらにこの油相を水相に分散することでW/O/W型エマルションができます。水性成分をカプセル化するため内水相の水性成分の保護やリリースコントロールが期待できます。

三相乳化エマルションは酸や塩の添加においても安定なため、ドレッシングなどと同程度の酸や塩濃度におけるエマルションの調製が可能です。

三相乳化法は、様々な粒子径のエマルションを調製することができます。左図より、100nm以下のエマルションが300日間安定であることがわかります。また、小さいエマルション径が通常である界面活性剤エマルションと異なり、三相乳化はミリオーダーの大きな粒子径のエマルションも安定に調製することが出来ます。

親水性ナノ粒子と固体微粒子間のファンデルワール力により、固体微粒子の分散が可能です。上図のように固体微粒子の種類や形、表面処理状態に関わらず、三相分散することで水に対する分散性が向上します。三相分散には、ナノ粒子(ベシクル)で固体微粒子覆う方法とベシクル形成物質を用いて固体微粒子表面にMaltibilayerを形成させる方法があります。いずれの場合も両親媒性物質を用いているため、表面改質した固体微粒子は、水にも油にも分散することができます。

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