5つの特性
三相乳化法は、親水性ナノ粒子が不可逆的に油滴(または水滴)に付着し油滴表面を覆っています。この三相乳化法の特徴である、親水性ナノ粒子の存在や三相構造によって、三相乳化エマルションは従来の界面活性剤型エマルションとは異なる様々な特性を持ちます。
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三相乳化エマルションは親水性ナノ粒子によって油滴表面が覆われた構造であるため、表面に存在する親水性ナノ粒子が障壁となり油滴間の合一を防ぎます。また、三相乳化で使用する親水性ナノ粒子は水にも油にも溶解しない物質であり、そのナノ粒子で安定化されたエマルション粒子は不可逆的付着のため独立相となります。そのため、異なる油種のエマルションを混合することが可能となります。
三相乳化エマルションは親水性ナノ粒子が水を保持しているため、気泡の周りで水を薄膜状に保つことが可能となり、長時間安定な泡沫(フォーム)を形成することができます。三相乳化エマルションは内相油が液油、固形油問わず泡沫化することができるため、柔らかい泡から固い泡まで用途に応じた泡を形成することが可能です。
三相乳化エマルションは油滴表面に親水性ナノ粒子が付着することで安定化しています。親水性ナノ粒子は水を保持しているため三相乳化エマルションは界面活性剤エマルションに比べ多くの水を持つことになります。接触角の写真からも三相乳化エマルションは水っぽい性質を持つことが分かります。従って、三相乳化のエマルションは保湿型エマルションで水を運ぶことができる保水ベクターとして機能することが期待されます。化粧品において、この性質により肌の保湿性の向上が確認されています。
三相乳化エマルションは気相に暴露されてもエマルション状態を保つことができるため、エマルション系でクロマトグラフィーを行うと、エマルションのまま溶媒と一緒に運ばれる輸送現象が生じます。界面活性剤エマルションは、気相に暴露されるとエマルションが壊れ、油相になってしまうためにこのような輸送現象は起こりません。この現象を応用して、揮発性機能性油剤(ex 香料、防虫剤、害虫誘引剤) などを空気中に効率的に揮散させることができます。
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